NO,1



台湾〜檜
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千年の生命に
触れることは
決して夢ではない。

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紹介している台湾の巨樹を
こっそり見に行くツアーを
企画しています。
時期は2000年の3月です。


↑ 観霧神木


「千年の命を持つ木も、
切るときは一瞬やな」

台湾の巨木の話を聞いたのはもうずいぶん前のことになる。


自分の本を出版する際、樹について何ページか執筆していただこうと法隆寺宮大工の故西岡常一氏を訪ねた時のことだ。法隆寺の昭和の大修理や薬師寺金堂などを建築する際、当時日本に檜の巨木が無く台湾の檜をつかったと話されたのだ。そして実際に台湾の現地に赴いたのだがその時の印象を「千年というとてつもない時間を生きてきているのに、切るときは一瞬やな」と話され、それが妙に寂しそうでこちらもなんとなくやりきれなかった。

塔を建てるときは千年先を考えて作る。千年という時間の重みを知り尽くしている職人のわずかに見せた横顔だった。檜の巨木を台湾に見に行こうと決めたのはその時だった。

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←達観山森林の檜

施さん、
巨木秘密データ入手!



 ↑観霧2号幹周り17,2メートル

施さんは、おそらく台湾で一番巨木好きのおやじさんである。この人がいなければ僕は巨木を見ることはできなかっただろう。 日本の台湾統治時代に幼年期をすごし、日本語学校に通っていた施さんは、日本語が達者だ。自分のことを巨木きちがいという彼も、最初は台湾の山の何処に巨木があるかわからず、大変苦労する。日本と違って巨木のガイドブックなどもなく、山は場所にもよるが軍事施設などかある関係から、警察に入山許可を出さないといけないため場所によっては大変行きにくい。人のうわさを頼りに探し続けているうちに、ついに林務局の秘密のデーターを入手するのだ。


台湾巨樹10傑なるこの資料は、林務局の内部資料で当時非公開だった。その中で一番うれしかったのは台湾で一番大きな木の存在だった。比較的観光地になっている達観山のデーターなどは別に驚くほどのことは無かったのだが、一番大きい木が大変山奥に存在することを知って彼は狂喜した。まさしく幻の巨木が存在すると思えたからだ。


ちなみに1位から10位までの樹種は9本までが紅檜、その他に楠が1本含まれる。

(続く)

 

 

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