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世界最古の巨樹、ブリスルコーンパインは
樹齢4700年の記録を更新しつづける。

標高4342メートル。
真夏でも雪に覆われたように白く輝くカリフォルニア州東部のホワイトマウンテン。
紫外線にさらされ強風の吹き荒れる斜面に、4000年以上にわたって
生き残ってきた樹々たちがいる。
彼らの長い生命の秘密はどこにあるのか。


ブリスルコーンパインの住み家は標高2000〜3000m。高地の強風、極寒、乾燥、岩石質の土壌と戦いながら、自然と適合する方法を体得してきた。 古木となるほど吹き抜ける風や砂でねじれ、うねる性質をもっている。ねじれるのは、風上側の乾燥により細胞の角度にひずみが生じるからともいわれている。 天を指すようにたつ2本があるのは、この森とこの樹の研究に一生をささげたシュールマン博士の名のついたシュウルマングローブ。

乾燥した高地に生える
長寿の樹

 ブリスルコーンパインの寿命は約5500年。一般に純文杉の樹齢7200年が世界最高であると信じられてきたが、これはあくまでも推定樹齢。プリスルコーンパインのように、樹の中心部から木片をサンプリングし放射性炭素測定法によって測定すると、絶文杉は合体木でその樹齢は、2200年から最高でも4110年であった。すなわち、少なくとも科学的に測定された樹として、現存する最高樹齢の樹はやはり樹齢4700年のブリスルコーンパイン「メスーゼラ」であることになるのだ。

.   世界最古の樹があるホワイトマウンテンは、サンフランシスコとロサンゼルスからほぼ同じくらいの距離にある。山項付近からはシエラネバダ山脈を望むことができ、反対側には巨大な岩の並ぷヨセミテ国立公園がある。ふもとの町ビッグパインから眺めると降雪のない時期でも真っ白に輝いて見えるホワイトマウンテンだが、雪のように見えるのは実は白い岩石である。
ブリスルコーンパインの生育地の中でもこのホワイトマウンテンは最も乾燥した場所だ。しかしメスーゼラを筆頭に樹齢4000年以上の樹が17本もあり、この山の樹がいちばん長く生きている。

←夜の凍えるような寒さの中で、生の部分は少ないが堂々とした姿が映える。

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長寿の秘密は過酷な環境

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 ブリスルコーンパインの年輪は完全な輪になっていない。それは苛酷な環境ではほんの少しの養分しか与えられず、樹は小さな一部分だけで生きてその他の部分の活動を停止するので輪にならない。当然生長速度も遅く、幹周りは100年で2.5センチ程度。その分緻密になりその点では縄文杉に似ている。

.←ブリスルとは剛毛、コーンは松かさ。つまりブリスルコーンパインとは剛毛のついた松かさを持つ松のこと。

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