世界最大級の巨樹・メキシコのヌマスギ
世界最長寿の木・ブリュスルコーンパインを見に行く
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世界最大級の巨木は人に何を語ってくれるのか。
幹周り世界一の巨樹と世界最長寿の木を訪ねる旅

 今回のツアーで訪れる巨樹は、メキシコにある樹幅世界一の木とカリフォルニアにある世界最長寿の木です。どちらもギネスブックに世界一と登録された巨樹で、メキシコのヌマスギは根回り58メートル、カリフォルニアのブリッスルコーン・パインは樹齢4767年です。

 メキシコではオアハカ州トゥーレ村の最大のヌマスギをメインに見学しますが、この村には同じヌマスギの巨樹が9本ほど残されています。このヌマスギは現地で「アウェウェテ」と呼ばれていますが、これはナワトル語で「水の老人」という意味。この木のあるトゥーレ村のトゥーレも水草の名前で、非常に水に恵まれていたため、水を好むヌマスギがこの地に残されたようです。
 しかし、今、「デル・トゥーレ(トゥーレの木)」と呼ばれている世界最大の木は地下に人工的に水を引いています。ほかの野生のままのヌマスギにはほとんど枯れつつある木もあります。首都メキシコ市と同様、オアハカ州もいまや水不足に悩まされ始めているというわけです。
 じつは、そのメキシコ市にもかつてこのヌマスギが大量にあったのではないかといわれています。
 メキシコはマヤ文明以前から文明が華開いた地です。今回のツアーでは、そんな古代文明であるテオティワカン遺跡やモンテアルバン遺跡、さらに国立人類学博物館などをコースに入れました。これらにはすべて日本人ガイドさんについてもらい、ていねいに解説してもらう予定です。
 メキシコとオアハカの歴史を探ることで、なぜ、トゥーレの木がここだけに残ったのか、自然に見えてきます。巨樹そのものだけでなく、巨樹の背景を探る旅。それが今回のメキシコでの旅の目的でもあります。

 カリフォルニア州のインヨー国立公園は、世界最長寿のブリッスルコーン・パイン(和名/イヌイガゴヨウマツ)「メスーゼラ(樹齢4767年)」があるところです。ここには合計17本の4000歳以上のブリッスルコーン・パインがあります。

 2000年にもツアーで行ったことがありますが、標高3000メートル以上に広がる森は普通の森とまったく印象が異なり、一度行くと、忘れられない森。シエラ・ネバダ山脈などの壮大な眺めも素晴らしい国立公園です。
 今回のツアーの最大の目的は、最長寿「メスーゼラ」に会うことです。この木は保護のために森の中のどこにあるか発表されていません。以前、行ったときも4000年以上のブリッスルコーン・パインとして確認できたのは、「パイン・アルファ」という木だけでした。
 しかし、今回はメスーゼラの発見者であるシュルマン博士が撮影した写真を持参し、その個体をぜひ見つけようと思っています。この目でぜひ世界一といわれる木を探してみようではありませんか。
 ユタ州とネバダ州境にあるグレート・ベイジン国立公園もブリッスルコーン・パインがある場所です。
 とくにブリッスルコーン・パインが多いのは、ウィーラーピーク(標高3981m)という山で、1958年にメスーゼラが世界最長寿であることが発表されるやいなや、一気にここも注目されるようになりました。
 ここでも世界最高クラスの樹齢を誇る樹が何本も発見され、それらの個体には「プロメテウス」「ソクラテス」
「仏陀」などの名前がつけられました。「WPN-144」という最高樹齢を記録した5100年の樹もこの山の北東斜面に生えていたといわれています。

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