第40回 染野さんの植物セミナーレポート


明治神宮を歩く

2019年3月21日木曜日(春分の日)

天気は快晴。風が強かったですが、気持ちいい散策になりました。最初に行ったのは、鳩ノ森八幡神社。将棋会館が近いと言うことで、将棋の駒を祀っていました。境内には、富士塚があり、なんでも東京で一何古い、富士塚だそうです。1789年に作られたとか。江戸時代の富士信仰を名残を垣間見ることができます。
明治神宮に進み、今は、鬱蒼とした森ですが、ここはもとは何もないところ。本多静六さんが考えたと言う100年構想の森は今はすっかり森の形を成しています。当時の首相・大隈重信が杉や檜の針葉樹の森にせよと命じたのを反対し、将来、この土地に適した照葉樹の森になるよう提案したそうです。
東京中から、重機もない時代に、多くを人力で頼りつつ、苗を集めたのだから、本当に大事業だったんでしょうね。北口にある、イヌマキは、板橋からで、天理教の人たちがお題目を唱えながら運んできたそうです。
明治神宮の、鳥居は台湾檜で、固定せずに立っているそうですが、それゆえ、地震でも上手に力を逃して立っていられるのだとか。こんな、巨木今は、もう台湾にもないのでは。 帰りは、渋谷でタイ料理を満喫して解散しました。

明治神宮を歩く
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オカメザサ
“笹”では、なく“小型の“タケ”です。公園や庭園などでよく使われますが、野生化して繁殖している所もあります。


ハナニラ
明治時代に観賞用に導入されたアルゼンチン原産の多年草。葉をちぎるとニラのような匂いがします。


鳩森八幡神社
近くに将棋会館があることから将棋の駒が祀られている


陽光サクラ
早咲きの桜が咲いていました。


富士塚
1789年に作られたと言う。富士山の溶岩は頂上付近にのみ配置。土の露出している部分に熊笹が植えられている。七合目には洞窟がつくられ、弥勒像が安置されている。


タチツボスミレ
富士塚のところどころに咲いていた。


アセビ / 馬酔木
花の色が違うものがある


富士塚
イラストマップで解説されていた


モミ
葉っぱの先が二つに分かれている


ツタバウンラン(蔦葉海蘭)
大正時代に観賞用導に導入されたヨーロッパ原産の多年草。各地で野生化しているのをよく見かけます。


明治神宮の入り口
かつて何もなかった時の写真をみせてもらう


明治神宮の入り口
本多静六博士が植栽計画して植えさせた木々は、100年経って、鬱蒼とした森となっています。


神宮造成前からあったムクノキの古木ですが、数年前に倒壊の恐れがあるということで残念ながら伐採されてしまいました。


神宮造成前からあった雌雄のイチョウ


モミジの新緑が美しい


通称“蛸足のクス”。植栽した当時、上部が霜で枯れ、その後復活してこのような樹形になったと思われます。


いくつもに分かれた樹形が美しい


クヌギの落ち葉


なかなか分解しないので、地面に水を貯めることができる。


コナラの巨木。
幹回り474cm。関東地方のコナラでは第三位の幹回り。かつて大きさを測ったことがあると話されていました。


鳥居はどうやって立っているのか、どうして地震に倒れないのか。コンクリートなので固定していないから逆に揺れを礎石が吸収して上部に揺れをつたえないそうだ。


明治神宮の鳥居。
昭和41年の落雷で焼失して現在のものは二代目。材ははるばる台湾から運んできました。


明治神宮のクスノキ。
本殿前の夫婦楠。樹形が美しい


代々木の地名の由来になったモミの木。高さ60m、幹周は10mぐらいあったらしい。幕末この木に登ると江戸湾に浮かぶ黒船が見えたそうです。


周度さんの日向夏(ひゅうがみかん)の差し入れ。美味しかったですよ。