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種類:檜 推定樹齢800年
道は山に近付くにつれてだんだんと狭くなり日が暮れないうちに先を急ぎたいと思っていたのですが、スピードをだすどころか、路肩から谷に落ちないよう慎重に運転しなくてはならず、村に付いたころはすっかり夕方になっていました。薄暗くなった山道を走っていると本当に恐ろしく何か物の怪が憑いてきそうな気がして、怖くて怖くてしょうがありませんでした。しかも薄暗くなった中でこの樹は墓地にあったため、僕はそれ以上そこに立っていることができず、翌日出直すことにしました。 次の日おっかなびっくり出かけていったのですが、昨日程は怖く無いにしても、やっぱりちょっと怖く慣れるまでしばらく木の下で座っていなければなりませんでした。 もう何本の巨樹に出会ったか数えきれませんが、出会った瞬間はこの樹の時ほどでは無いにしてもいつも怖くて仕方がありません。しかし、この最初に出会ったときの怖いという気持ちは、実は大変大事なことじゃないかと思っています。樹を見た経験がたとえなくても、森や大きな木を怖いという記憶を僕たちは持っているような気がするのです。 |
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