巨樹にまつわるセミナー開催

20年間で20カ国、
2000本以上訪ねた中から選ばれた巨樹の写真展
THE STATE BIOLOGY MUSEUM IN MOSCOW

2019年 11月19日(火曜日)-12月15日(日曜日)

私が20年以上前から、世界中の巨樹を巡る旅を続けてきました。 巨樹は探すだけでも大変ですが、長きに亘り続けてこられたのは巨樹そのもののだけでなく、周囲の自然や関わる人々などすべてに感謝することを教えられたからだといます。そんな気持ちを伝える講演会も開催され、木や森、自然を愛するロシアの人々と触れ合えるかけがえのない時間を過ごされました。

歴史あるThe K. A. Timiryazev Biology Museum
画像をクリックすると拡大表示します。


生物学者ティミリアゼフに因んで1922年に設立されました。6万点のコレクションを有し、植物、動物、生態学、遺伝学などに関する素晴らしい展示で有名で、モスクワでは子供たちに人気の施設です。


100年以上前に建てられた雰囲気あるロシアスタイルの建物の展示スペースは9000平方メートルと広大です。格調高い門には開催中の展覧会の電子ポスターが映ってありました。


今回の展覧会〝The unique trees on the planet”の開催を実現してくださった館長のMaria Rakhcheevaさん(左)とキュレーターのAndrey Martynovさん(中央)。本当に細々とお世話になりました。感謝です。

工夫を凝らした素晴らしい展示


吉田繁先生の展示室はエントランスから入ってすぐの場所でした。そこに入る前に最初に目が行くのがこの大きなプロフィール・ボードでした。


日本を意識するようにショーケースの中に障子を模したような枠が設えられ、そこにプリントと学名、説明文が丁寧に貼られていました。


こんなイラスト付きのクイズもありました。葉や花、実を見て木の名前を当てます。子供も大人も楽しみながら学べる工夫は生物学博物館ならでは……。


本物の木や実ももちろん展示されていました。バオバブの実もあるとはさすが。生物に関する膨大なコレクションを保有する博物館らしい展示です。


アート写真の展覧会と雰囲気は異なりますが、写真をじっと見入る時間は長く、そこには驚きや発見があることが見学者の方々の表情から伝わってきました。


日本から持参したアンブロタイプ作品は国際交流基金の高橋正和さんと、この博物館の編集者で通訳のAnna Andreyevaさんにも見ていただきました。


展示室には世界地図もあり、撮影した場所に巨樹の写真が貼られていました。とてもわかりやすい展示でもありました。このような展示室はふたつありましたが、その中でも注目度が高かったのは、日本の黄葉したイチョウと満開の藤の花の写真でした。「実物を日本に行ってぜひ見てみたい」と言われる方が多かったです。

オープニングセレモニー 2019年 11月18日


館長のMariaさんの司会で、キュレーションしてくれたAndreyさんと協力してくださったJapan Foundationの高橋さん、最後に私からご挨拶を……。


和紙に巻物のようにプリントした吉田先生のハンドメイド写真集も好評でした。見たことのない巨樹とミステリアスな雰囲気がマッチしていたようです。


ロシアの美味しいお菓子やフルーツだけでなく、ロシアワインも用意されていて、来館者の方々といろんな国の木や環境問題についての熱く語り合いました。

セミナー開催 2019年11月19日


世界最大の巨樹は南アフリカにある幹周り45mのバオバブです。その大きさを実感してもらうために、参加者全員で紐を使って45mの輪をつくりました。


ムービーや写真を見せながら、これまで吉田繁先生が訪ねてきた巨樹についての興味深いお話をしていただきました。皆さん、メモと写真を熱心にとられていました。


国際交流基金の協力でお願いできた通訳のNataliya Pushkovaさん。日本にも長く住まわれて日本人より素晴らしい日本語を話されます。


いままで最も感動した木、たくさんの苗木を残して生を終えた木、世界最長寿の樹齢4800年の木の姿など、語られた木の話は人間の生き方にも共通していました。


「記念写真を一緒に」と言われて撮影。木の好きな人、自然が好きな人は国は違っても全員、穏やかで人を癒す雰囲気を持っているようです。

〝The unique trees on the planet” @The K. A. Timiryazev Biology Museum
オープニングのダイジェスト動画

今回の展覧会では、キュレーターのAndrey Martynovさん、The K. A.Timiryazev State Biology Museum 館長のMaria Rakhcheevaさんをはじめとするスタッフの皆様、そして、モスクワの国際交流基金の方々、通訳のNataliya Pushkovaさんなど、本当に多くの方々にお世話になりました。来館者の皆様にもお礼申し上げます。20年以上続けてきた巨樹の旅をこれからも続けながら、木を愛する多くの国の方々とも交流を深めていきたいと思っています。今回いただいたご縁を大切に、また近いうちにお会いできる日が来ることを楽しみにしております。

museumのポスター

Japan Foundationのホームページでの紹介記事
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Lens works社さんのホームページでの紹介記事
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